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平成28年度人権に関する作文」の市内入賞者作品

印刷用ページを表示する 掲載日:2016年1月1日更新

さくら市内の小中高等学校で1名が入賞しました

 栃木県教育委員会では毎年、すべての人々が互いの人権を尊重し、共に生きる社会の実現を目指して、県内の小学校・中学校・高等学校および特別支援学校の児童生徒とその保護者を対象に、「人権に関する作文・イラスト」を募集し、入賞作品を発表しています。

 今年度、さくら市内の小中高等学校では、作文で以下の1名が入賞しました。

 この機会に作品に触れることで、改めて人権を身近なものとして考えてみてはいかがでしょうか。

 なお、掲載にあたり、関係者の許可を得ています。 

人権に関する作文

優秀賞

「誰もが暮らしやすいと思える社会に」 喜連川中学校2年 小久保 光瞳(こくぼ ひとみ)さん [PDFファイル/145KB]

(ご注意)転載等はご遠慮ください。

作品の紹介

喜連川中学校   2年  小久保 光瞳 (こくぼ ひとみ) さん

「誰もが暮らしやすいと思える社会に」  喜連川中学校 二年 小久保 光瞳 (こくぼ ひとみ)

 私は、誰もが暮らしやすいと思える社会にするにはどうしたらよいか考えることがあります。なぜなら、私の最も身近なところに、それを望んでいる人がいるからです。それは、私の弟です。弟にとっては、普段の生活でもまだまだ暮らしにくいことがたくさんあるのです。
 弟には生まれつき障がいがあります。状態は重く、今の医学では治らないとされています。小学六年生になりますが、成長が遅く、大体六歳くらいの人と身長が変わりません。けれども、六歳の子のように走ったり話したりは、できません。自分一人でできることは、少ないです。また、話すことができないため、辛い気持ちが家族に伝えられずに、自分で身体を傷つけてしまうことがあります。私は、そんな弟のことを誰よりもそばにいて助けてあげたいと思っています。
 その日は、私と母と弟で電車に乗っていました。すると、弟が怒り出したのです。大きな声を出して、自分の身体を力まかせに叩き始めました。突然のことに母は驚き、焦りました。少しでも早くおさめようと必死に弟に話しかけます。しかし、そんな母の声は耳に入らないかのように、弟の声はますます大きくなります。なかなかおさまらずに、三十分くらい続きました。弟は何か伝えたいことがあるにちがいないのですが、障がいがあり、それができないのです。電車内に響く弟の泣き声。弟が言いたいことはなんだろう。のどが渇いたのか、おなかがすいているのか、暑いのか、私は母と一緒に考え続けました。泣き止ませることに必死でした。
 「電車などの公共の場では静かにする」これは、誰でも知っている当たり前のマナーです。幼い子が騒いでいたら静かにさせるのが、一緒にいる家族のマナーでしょう。電車には、仕事で疲れていた人もいたかもしれないし、大きな音が苦手な人もいたかもしれません。どこかで読んだ、電車でうるさくする人への批判の投稿文が頭をかけめぐります。おそるおそる周りを見ると、予想通り迷惑だと言っているかのような冷たい視線が自分達に向けられていました。身が縮む思いで、一刻も早くその場から立ち去りたいと思いました。悲しみがこみあげてきました。
 今までにもこういった悲しい出来事はたくさんありましたし、もっとひどい事もありました。弟は見た目では、障がいがあるかどうか分からないと思います。だからこそ、周囲から理解されないことも多いと感じます。弟自身が冷たい視線をどう感じたかは、話すことができないので分かりません。それどころか、その視線に気づいていたかも分かりません。でも、家族である私は悲しかったし、暮らしにくさを感じる場面が多いのは事実です。
 そんな時、私は新聞である記事を目にしました。それは、「障害者差別解消法が施行された」という記事でした。興味を持って読んでみると、障がいを理由とした「不当な差別的取り扱いを禁止」するとともに、役所や学校、民間事業者などに障がい者への「合理的配慮の提供」を求めるものということでした。「不当な差別的取り扱い」や「合理的配慮」とは何だろうと思いインターネットで調べてみると、内閣府のホームページにリーフレットがありました。それは、きれいな色刷りで中学生の私でも読みやすいものでした。
 まず、「不当な取り扱い」とは、役所や会社や店などの事業者が、障がいのある人に対して、正当な理由もなく、障がいを理由として差別することなのだそうです。
 それから、「合理的配慮」とは、これらの事業者が障がいのある人から、何らかの対応を必要としているとの意思が伝えられたときに負担が重すぎない程度に対応することです。例えば、車椅子を利用している人が電車に乗る時に、駅員がスロープなどを使って補助するなどです。弟も、気兼ねなく電車を利用できるようになるといいなあと思いました。
 私は、この法律が施行されることによって、障がいのある人が日常的に利用する駅や電車、店などの施設で暮らしにくさを感じることが少なくなるのではないかと期待しています。障がいのある人が、どんなところでどんな暮らしにくさを感じているのか、相談したり話したりする橋渡しをしてくれるのではないでしょうか。でも、いくら法律ができても、それを実際に行動に移していくには、難しいこともありそうです。障がいのある人にどこまで合わせるかは、限界もあるからです。その施設の目的が果たせないのでは、大きな負担になってしまうでしょう。だからこそ、お互いの思いを話し合い、そうすることが当たり前になるような社会になればよいと願います。そして、これから私も、そのような社会を作る一員として、障がいのあるなしに関わらず、相手のことを理解し、誰もが自分らしく生きていけるよう、温かい気持ちを大切に、支え合って生活していきたいと思います。