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「第38回栃木県少年の主張発表県大会」の市内入賞者作品

印刷用ページを表示する 掲載日:2015年12月11日更新

 第38回栃木県少年の主張発表県大会が平成27年9月19日に開催され、さくら市立喜連川中学校3年の石塚千夏さんが最優秀賞に選ばれました。おめでとうございます。

 身近な地域についての出来事を通して自身の考えを主張し、ふるさとへの誇りや愛情・決意が伝わってくる作品です。 

 なお、掲載にあたり、関係者の許可を得ています。 

第38回栃木県少年の主張発表県大会

最優秀賞

「かけがえのないふるさとのために」喜連川中学校 3年 石塚千夏さん [PDFファイル/139KB]

 

作品の紹介

喜連川中学校 3年 石塚千夏さん

「かけがえのないふるさとのために」 喜連川中学校 3年 石塚 千夏

 

「この辺りも若い人が減ってきて、この先どうなっちゃうんだろうねぇ。」

 最近、よく耳にする言葉です。少子化の影響もあり、私が通っていた小学校は、5年前に廃校になりました。小さな学校だったので、みんな兄弟のように仲が良く、とても楽しい毎日でした。登下校の時には、地域の方々が笑顔で声をかけてくださり、私たちはいつも、見守られているという安心感がありました。大好きな学校がなくなってしまうと知ったときには、悲しくて涙が止まりませんでした。

 五つの学校が統合した喜連川小学校にはスクールバスで通うことになりました。いつも

「こんにちは。」

と挨拶すると、

 「お帰り。気をつけて帰るんだよ。」

と笑顔で返してくれたおじいさんに、私たちの声は、だんだん届かなくなり、地域の方たちとふれあう機会も少なくなっていきました。

 私は緑豊かなこの町が大好きです。でも廃校になってからは特に、町全体に元気がないように感じます。私の好きな夏祭りやどんど焼きも、なかなか人が集まらず、以前のようなにぎわいも少なくなりました。このままでは学校だけでなく、ふるさとまでもがなくなってしまうのではと不安にもなりました。町に元気を取り戻したい、私にできることはないかと思っていたころ、一つの出会いがありました。

 私が住んでいるさくら市は、野口雨情と縁があり、毎年、雨情祭と呼ばれる音楽祭が開かれています。一昨年の雨情祭でのこと。長く関わってくださっている音楽家の先生から、

 「2年後を目標に、私は雨情のオペラを作りたいと思います。市民のみなさんもぜひやりませんか。」

という呼びかけがありました。その瞬間、会場から歓喜の拍手が起こったのを今でも覚えています。私たちが、プロの指揮者や演奏家のみなさんと一緒にオペラを作るなんて夢のようです。ぜひ、私も挑戦してみたいと思い、参加することに決めました。

 小学生からお年寄りまで、約50人の市民が集まり、半年間、練習を重ねました。初めは息が合わず、焦ることも何度もありました。でも、「ふるさとのオペラを自分たちの手で作りたい」という気持ちをみんなが持つようになり、一体感が生まれていきました。そして、ついにこの春。雨情と、その妻ヒロの出会いと別れを描いた創作オペラを上演することができたのです。世代の違う人たちが力を合わせ、一つのものを作り上げたときの喜びと充実感は何にも代えがたいものでした。

 今回の経験で、野口雨情の童謡は私たちのふるさとの自然や温かい人情に支えられていたことを知り、改めて、この地に生まれ育ったことを誇りに思います。

 ふるさとを元気にしたいという思いをみんなが持ち、力を合わせていけば、解決策は必ずあること、それを応援してくれる人も必ず現れるということも実感できました。

 そして、何よりも、私たち若い世代がこれからのふるさとを元気にする原動力にならなくてはならないと強く感じたのです。

 現代は、インターネットなどの普及で、国内のみならず、海外の情報もすぐ手に入り、さまざまな人たちと交流を図ることも可能な時代です。しかし、その反面、祭りや郷土料理など、地域や家族との関わりを通して伝えられてきたものや、人の温かさを肌で感じる機会が減ってきているように思います。

 今、私は同級生や卒業生と一緒に喜連川の民話の語り部の活動をしています。聴いてくださる方たちの笑顔がとても励みになります。これからも、地域の人たちと協力し合い、支え合いながら、ふるさとのすばらしさを受け継ぎ、積極的に伝えていこうと思っています。