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「一葉」はサトザクラ系に分類される八重咲の桜です。
花びらが20~30枚と多く、淡い桃色から咲き進むにつれて白に近い色合いへと変化します。
最大の特徴は花の中心に1本だけ伸びる“葉化した雌しべ”です。これがまるで小さな葉のように見えることから「一葉」の名が付きました。
この桜は、開花の基準となるソメイヨシノより少し遅れた4月中旬ごろに開花します。
そのため、花見シーズンの第2幕を飾る桜としても知られています。
満開時には、ぽってりと丸い八重の花が枝いっぱいに咲き誇り、風が吹くとほんのり白みがかった花びらがふわりと揺れる姿が魅力です。
また、もうひとつの魅力として「花びらの厚み」が挙げられます。
同じ八重咲の桜の中でも、一葉は花びらがやや厚く、重なり方も密であるため、咲いた時に丸みを帯びた立体的な形になります。この厚みは、花びらに細胞が多く詰まっているためです。
八重咲は“雄しべが花びらに変化したもの”が積み重なってできていますが、一葉はその変化が特に多く、花びらが凝縮しているため、1輪が他の桜に比べて大きいのです。
一葉は江戸時代後期にはすでに栽培されていたとされ、古くから関東を中心に庭園や寺社、公園などに植樹されてきました。
丈夫で成長しやすいため、街路樹や記念樹としても人気が高い品種です。
