養育費とは、子どもを監護・教育するために必要な費用です。 一般的にいえば、未成熟子(経済的・社会的に自立していない子)が自立するまで要する費用で、生活に必要な経費、教育費、医療費などです。
未成熟子の養育費の支払義務(扶養義務)は、親の生活に余力がなくても自分と同じ生活を保障するという強い義務(生活保持義務)だとされています。 自己破産した場合でも、子どもの養育費の負担義務はなくなりません。
平成23年の民法改正により、離婚の際に夫婦が取り決める事項として面会交流及び養育費の分担が明文化されました。
また、 平成15年4月に母子及び寡婦福祉法(平成26年4月母子及び父子並びに寡婦福祉法に改正)において扶養義務の履行が規定され、養育費支払いの責務等が明記されています。
親として、この世に生を受けた子どもの生活を保障し、心の成長を支えることは、当然の責任です。 養育費の支払いは、親として子に対する最低限の義務であり、離れて暮らす親と子を結ぶ絆であり、親子である証になるものです。
令和6年5月17日、民法等の一部を改正する法律(令和6年法律第33号)が成立しました(同月24日公布)。
この法律は、父母の離婚等に直面する子の利益を確保するため、子の養育に関する父母の責務を明確化するとともに、親権・監護、養育費、親子交流、養子縁組、財産分与等に関する民法等の規定を見直すものです。
この法律は、一部の規定を除き、上記公布の日から起算して2年を超えない範囲内において政令で定める日に施行されます。
詳細については、法務省ホームページ及びパンフレットをご確認ください。
養育費の額、支払い方法、支払う期間などについて、できるだけ具体的に明確に記載したうえで、父母が署名するなどして、後々取り決めの内容について争いが生じないようにすることが大切です。
離婚する際に取り決めることができなかった場合は、離婚後、子どもが経済的・社会的に自立するまでは、いつでも養育費を請求することができます。
取り決めを記載した内容は、公正証書にしておくことをお勧めします。(養育費に関する公正証書作成支援事業補助金(新しいウィンドウが開きます))
父母の話し合いで決めることができない場合は、家庭裁判所に調停を申し立てることができます。
【参考】
親子交流とは、子どもと離れて暮らしている親が、子どもと定期的又は継続的に会って話をしたり、一緒に遊んだりして交流することです。
親が離婚しても、子どもは両親それぞれが自分のことをかけがえのない大切な存在であると思っていると感じることによって、深い安心感と自尊心を育むことができます。
ただし、離婚(別居)前に家庭内で暴力があった場合のように、親子交流の場面で子どもへの暴力の危険がある等の事情によって、親子交流を控えるべき場合もあります。
このような場合、当事者間で話し合いができないときは、家庭裁判所の調停を利用するなどしてお互いに納得して問題を解決できるようにしましょう。調停手続を利用しても合意ができないときは,審判で決定されることになります。
親子交流について取り決めておくことは、親子交流の時期、方法、回数、親同士が守らなければならないルールなどです。
また、送り迎えについて、誰が、どこで、どのように行うかについてもできるだけ具体的に決めておいたほうがよいでしょう。
両親の話し合いで決めることができない場合は、家庭裁判所に調停を申し立てることができます。
法務省ホームページにおいて、離婚のときに考えておくべき事項について、基本的な情報がまとめられており、養育費の重要性や取り決め方法、親子交流の取り決め方法、裁判所での手続きなど、様々な場面ごとに説明した動画なども紹介されています。
あなたとあなたの子どもの将来を考える際の参考にされてください。
子どもの利益を最優先に考えたとき、離婚後の親子交流や養育費などの取り決めは大事なことです。
離婚届を提出される前に、法務省ホームページも是非ご覧ください。