水道管の更新について
水道管の老朽化
さくら市が管理する水道管の総延長は、約488kmあります。これは、さくら市と神戸市を結ぶ直線距離とほぼ同じです。このうち法定耐用年数(40年)を超えている老朽管が約35km(全体の約7.2%)あります(令和5年度末時点)。令和5年度末の管がこのまま老朽化すると、10年後は約44.9%、20年後は約61.7%、そして30年後には約76.6%の管が法定耐用年数を超えてしまいます。
老朽化すると・・・
老朽化した水道管をそのままにしておくと漏水や濁水、水圧低下を引き起こすことがあります。それらの事故により緊急工事や断水が必要になる場合があり、市民生活に重大な影響を及ぼすことになります。また、中には耐震性が低い水道管もあります。耐震性が低い水道管をそのままにしておくと地震などの災害時に壊れたり抜けたりしやすく、大規模な断水を引き起こすことがあります。皆さまに安心・安全な水道をお届けするために、水道管の更新・耐震化はとても大きな課題となっています。
耐震性の強い水道管とは?
管と管をつなぐ継手部分に伸縮性や離脱を防止する機能を有していて、地震や地盤沈下などによる地盤変化に対応できる水道管を、「耐震性の強い水道管」といいます。
さくら市では「水道配水用ポリエチレン管(HPPE)」への更新を進めています。
〔株式会社クボタ提供〕
水道管の更新に時間がかかる理由
さくら市では1年に約1.5kmのペースで更新工事を行っています。このペースで進めていくと市内すべての水道管を更新するのに単純計算で約325年かかります。このように水道管の更新に多くの時間がかかるのには主に2つの理由があります。
手間がかかる
水道管の更新工事には大きく分けて6つの工程があります。1日にできる工事の量が限られており、毎日少しずつしか進めることができないため時間がかかってしまいます。詳しくは、本ページ記載の「工事の流れ」をご覧ください。
お金がかかる
水道管の更新工事は1kmあたり1~1.5億円程度の費用がかかります。短い期間で一気に更新工事をしてしまうと莫大な費用がまとまって必要となるため、老朽度や事故時の影響度などを加味して計画的に更新しています。
また労務単価の上昇や工事材料の高騰により、工事価格は毎年増加しています。
管路経年化率と管路更新率
さくら市の管路経年化率(法定耐用年数を超えている水道管の割合)は、類似団体平均と全国平均を下回っています。
管路更新率(年度ごとに更新された水道管の延長の割合)は年々上昇しているものの、未だに類似団体平均と全国平均より低い数値となっています。
今後管路経年化率が益々上昇していくことから、より管路更新率を上昇させていく必要があります。
出典:令和5年度経営比較分析表
(詳しくは、さくら市ホームぺージ「経営比較分析表(水道事業)」をご覧ください。)
更新工事
更新工事の主な流れを紹介します。(※付きの(2)と(5)は場合によっては行われない工程です。)
工事の流れ
※上記はあくまで一例です。実際の現場状況により異なる場合がございます。
(1)埋設状況を確認する
新しい水道管の埋設場所を決めるために、工事をする道路上を何カ所か掘り、下水道管やガス管などの位置を確認します。
(2)仮設の水道管をつなぐ※
更新工事の間、長時間の断水が起きないように老朽化した水道管へ仮設の水道管をつなぎます。この際に、老朽化した水道管につながっている給水管を仮設の水道管につなぎかえます。
(3)水道管を取りかえる
老朽化した水道管を徐々に切断・撤去し、新しい水道管を入れていきます。
(4)給水管を付け替える
仮設の水道管につないだ給水管を新しい水道管につなぎかえます。(仮設の水道管を入れない場合は、給水管を古い水道管から新しい水道管につなぎかえます。)
(5)仮設の水道管を取り除く※
新しい水道管に水を送り、仮設の水道管を取り除きます。
(6)道路を元の状態に戻す
道路を舗装し、工事は終了です。