旧喜連川町の紹介
喜連川町
昭和30年4月1日 合体 喜連川町(明治22年4月 町制施行)、上江川村
奥州街道と城下町 歴史情緒 城下町の趣
シンボル 桜 清流 温泉 中心市街地 道の駅
奥州街道と城下町
「城下町」と[宿場町]。この二つの顔が喜連川に独自の風貌と歴史、文化を育んできました。
古くは「狐川」という何やら伝説めいた名で呼ばれていたこの地が、歴史的に整えられたのは、今から約800年前。源平合戦で功を立てたことによって、源頼朝から塩谷郡に二千町の土地を与えられた矢板川崎城主の弟塩谷五郎源惟広は、文治2年(1186)、お丸山に大蔵ケ崎城を築城。これが城下町としての喜連川の起こりとなり、同時にそれまでは「来連川」と綴っていたのを「喜連川」と改めました。
塩谷氏の統治は、17代400年に及びましたが、豊臣秀吉の東征の際、秀吉の怒りを恐れた17代惟久が出奔したために廃城。以後は足利氏の流れを汲む古河公方家が後を継ぎ、喜連川氏を名乗って、約280年にわたって統治。
2代頼氏の代に、山城の大蔵ケ崎からお丸山下に館を築き町割を行いました。以後「御用堀」や「寒竹囲い」が整備されるなどして、城下町としての喜連川が完成しました。
また、足利氏の血縁に当たるため喜連川氏は高い家格(四品格式十万石実高一万石)を誇り、幕府から特別な地位を与えられたので、このことが地の栄華を築く一因となりました。
一方、喜連川には古代から重要な道が通っていました。古くは「東山道」。大化の改新後に設けられた都と地方とをつなぐ7路の一つで、のちには将軍道も重なり、室町時代の義経記には『きづかは(喜連川)を打ち過ぎて・・・』とあり、義経はこの道を通って鎌倉の兄頼朝の陣に駆け付けたと書かれています。
江戸時代に入ると、五街道の一つ「奥州街道」が喜連川を通るようになります。宇都宮から白河までを結んだこの街道の中でも喜連川宿は賑わった宿駅の一つでした。
現在はその姿をとどめてはいませんが、宿中には諸大名が参勤交代のときに宿泊した本陣や脇本陣があり、まわりに多くの旅籠が立ち並んで繁盛していました。
今でも街道の面影を伝えているものには、あちこちに点在している道標のほか、早乙女の羽黒には500メートルほど昔のままの街道が保存されています。
歴史情緒
歴史深い喜連川では、いたるところに歴史的な遺産が残っていますが、喜連川庁舎から歩いていける距離だけでも、多くの文化財を見ることができます。
まずは役場の西側にある「お丸山公園」。小高い山の頂上には、連郭式の代表的な山城、大蔵ケ崎城(のちに蔵ケ崎城)の堀や郭跡が残っています。喜連川丘陵の要害を巧みに利用した城で、五つの堀切と曲輪によって形づくられた山城です。
「お丸山公園」には遊歩道が巡っていて、そこを下っていくと「喜連川神社」があります。この神社は、何といっても県外までも勇名を馳せる「あばれ御輿」で有名。喜連川神社の夏祭りで、このときばかりはあふれんばかりの人が集まりますが、普段は深い竹藪に囲まれた静寂な神社です。
喜連川神社から古く趣のある裏通りを抜け、表通りを横切ると、少し奥まったところにあるのが「龍光寺」。
参道を歩いていくと古刹らしくひっそりとしていて、表通りがすぐ向こうにあるのが嘘のようです。
「龍光寺」は、境内には喜連川足利家の歴代の墓や足利尊氏公木像、十一面観世音菩薩立像などがあります。
このほか、県指定文化財として専念寺の鉄造阿弥陀如来立像、連光院の銅像阿弥陀如来座像、慈光寺別院薬師堂の薬師如来や十二神将、鷲宿の西原古墳などがあります。
城下町の趣
喜連川ならではの城下町のたたずまいを、今に伝えているものに「御用堀」と「寒竹囲い」があります。
「御用堀」は、領民思いの名君として知られる喜連川氏の十代ひろ氏が、飢餓や大火から領民を守るため、町中のどこにあっても生活用水が使えるように、天保十三年(1842)に開削した用水路。数十町歩の新田開発にも利用されて藩財政をうるおしました。
堀には荒川と内川から水を引いた二筋があり、現在「御用堀」と呼ばれているのは、荒川筋の「横町堀」です。平成十一年には一部修復して鯉を放流し、「やすらぎの散歩道」として町の内外の人々から親しまれています。
「寒竹囲い」は、この辺りに自生する「オカメザサ」を利用して作った生け垣で、別名「鼈甲垣」(べっこうがき)とよばれます。喜連川氏六代の茂氏が、腐朽しやすく製作修繕費がかさむ板塀に代えて、藩士の宅地を囲むことを奨励。以来、二百数十年にわたって、毎年七月中旬に竹の締めかえと刈り込みが行われ現在まで、喜連川の町並みに独特の風情を醸してきました。
桜
喜連川の桜の名所は「お丸山公園」。桜だけでなく、つつじやヤマブキソウ、キツネノカミソリ、アジサイの花々が咲き競う、県下屈指の花の名所になりました。また、秋には紅葉に彩られるなど、年間通じて様々な色彩が競い合います。
清流
さわやかな森の木立にあふれ、実り豊かな農地が広がる喜連川。彩りの鮮やかな草木や農作物はまちをめぐる美しい水によって育まれ、喜連川では、そんなうるおいのある水の景色にあちこちで出会うことができます。
荒川と内川。この二つの川は、何と言っても喜連川の水を代表する景色。沿岸に古墳や古代住居跡などが点在し、その恵みが古くからの喜連川の歴史を支えてきたことが窺える内川。鮎釣りで有名で、シーズンには遠く首都圏からも大勢の太公望が訪れる荒川。二つの豊かな流れは、いたるところで心地よいせせらぎを響かせながら、町の四季折々の自然に彩りを添えていきます。
また、上江川地区を北西から南東に横切る江川、岩川は、川幅は狭いながらも透明感のある清流をたたえ、地域の人々に欠かせない存在となっています。
このように喜連川では、荒川や内川のような清流のほかにも、さまざまな水の景色が町のいたるところで見かけられます。
温泉
喜連川温泉は、美しい自然環境に囲まれた山間地に位置しています。泉質は主に単純硫黄泉で、温泉効果としては神経痛や筋肉痛の緩和、美肌効果などが期待できます。また、源泉掛け流しの温泉であるため、豊かな湯量を誇ります。
施設と宿泊: 喜連川温泉には、数軒の宿泊施設があります。旅館やホテルが提供されており、温泉を楽しみながらリラックスできる環境が整っています。一部の宿泊施設では、露天風呂や貸切風呂などの特別な温泉を楽しむこともできます。
喜連川温泉周辺には、自然景観や観光スポットもあります。例えば、喜連川渓谷は温泉地を流れる美しい渓流で、散策や川遊びを楽しむことができます。また、紅葉シーズンには渓谷の木々が色づき、美しい景色が広がります。他にも近隣には歴史的な寺院や神社、観光農園などがあり、観光客に楽しい体験を提供しています。
道の駅きつれがわ
市街地の南東で荒川と内川が合流しますが、この合流ポイントに平成29年4月にリニューあるオープンし、更に令和5年1月28日にさらなるバージョンアップしたのが、「道の駅きつれがわ」です。さくら市喜連川縁の野口雨情にちなんだ大正ロマンをコンセプトとし、地元特産物の買物や観光・道路の情報サービス、食事、休憩などができるほか、日帰り温泉まで楽しめて、喜連川の新しい観光スポットになっています。
「道の駅」に隣接しているのは、「水辺公園ジョイフルブルーパーク」。荒川の清流沿いに、子どもたちでも安心して水遊びができる池やバーベキュー、キャンプが楽しめる設備などがあって、休日には大勢の家族連れで賑わっています。