個人住民税の改正について(平成28年度以降)
個人住民税の改正について(平成28年度以降)
個人住民税における公的年金からの特別徴収制度の見直し
平成29年4月支給分より、公的年金からの仮徴収税額の算定方法の見直し(仮徴収税額の平準化)が実施されます。
現行の徴収方法では、年税額が前年度の年税額から大きく変動した場合、仮徴収税額と本徴収税額に大きな差が生じるため、翌年度以降もこの差が続くこととなります。
そこで年間の徴収税額の平準化を図るため、仮徴収税額については「前年度の年税額の2分の1」に相当する額とする算定方法の見直しが行われました。(平成25年度税制改正)
【仮徴収】
年度前半(4,6,8月)は、前年度の年税額の6分の1の額が特別徴収(年金天引き)されます。
【本徴収】
年度後半(10,12,2月)は、6月以降に確定した年税額から、前半の仮徴収税額を差し引いた額の3分の1が特別徴収(年金天引き)されます。(調整あり)
公的年金からの特別徴収税額の計算方法(年金特徴継続者) |
||||||
継続者 |
仮徴収 |
本徴収 |
||||
4月 |
6月 |
8月 |
10月 |
12月 |
2月 |
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現行 |
前年度の2月に徴収された額と同じ額 |
前年度の2月に徴収された額と同じ額 |
前年度の2月に徴収された額と同じ額 |
年税額から仮徴収税額を差し引いた額の3分の1 |
年税額から仮徴収税額を差し引いた額の3分の1 |
年税額から仮徴収税額を差し引いた額の3分の1 |
改正 |
前年度の年税 額の6分の1 |
前年度の年税 額の6分の1 |
前年度の年税 額の6分の1 |
年税額から仮徴収税額を差し引いた額の3分の1 |
年税額から仮徴収税額を差し引いた額の3分の1 |
年税額から仮徴収税額を差し引いた額の3分の1 |
『ふるさと納税(ふるさと寄附金)』に係る改正
平成25年度及び平成27年度税制改正で、平成27年中に地方公共団体に対してふるさと納税をした場合、平成28年度から適用される個人住民税について次のとおり改正されます。
所得税の最高税率引き上げに伴い『ふるさと納税』に係る特例控除額の算定方法が改正されます。
平成27年分以後の所得税から課税所得4,000万円超について、最高税率が45%に引上げらます。これに伴い、平成28年度以後のふるさと納税に係る特例控除額の算定に用いる所得税の限界税率を課税所得金額4000万円超の場合は45%とすることとされました。
改正前 | (寄附金額-2,000円)×{90%-寄附者の所得税の税率(0~40%)×1.021)} |
改正後 | (寄附金額-2,000円)×{90%-寄附者の所得税の税率(0~45%)×1.021)} |
ふるさと納税の控除限度額が引き上げられます。
平成27年1月1日以降に寄附を行った分について、個人住民税の特例控除額の上限が所得割額の1割から2割に拡充されます。
特例控除額の上限 |
|
改正前 |
所得割額の1割 |
改正後 |
所得割額の2割 |
「ふるさと納税ワンストップ特例制度」の創設
(平成27年4月1日以降の寄附から適用されます。)
確定申告が不要な給与所得者等について、ふるさと納税先団体が5団体以下の場合で確定申告を行わない場合に限り、ふるさと納税をする際にふるさと納税先団体に特例の申請をすることにより、ふるさと納税に係る寄付金控除が受けられる制度です。
控除金額は、所得税の軽減相当額を含めて翌年度の住民税からまとめて控除されます。
【ふるさと納税ワンストップ特例制度を利用できる方】
次の条件をすべて満たしていることが必要です。
-
確定申告を行う必要のない給与所得者等であること
年収2000万円を超える所得者や、医療費控除等で確定申告をされる方は確定申告で寄付金控除を申請してください。 -
ふるさと納税をされる地方公共団体の数が5以下の方
同じ地方公共団体に複数回寄附をしても1団体としてカウントします。
※詳しい内容については、総務省のホームページ「ふるさと納税ポータルサイト」(外部リンク)をご覧ください。
公的年金等に係る確定申告不要制度の改正
平成27年分の所得税から公的年金等に係る確定申告不要制度が改正されます。
これにより、外国の法令に基づく保険または共済に関する制度で、国民年金法、厚生年金保険法、公務員等の共済組合法などの規定による社会保険または共済制度に類する支払を受ける方は、確定申告が必要になります。