「春は、あけぼの」。ときめく言葉だ。ほのぼのと体感温度まで伝わってくる。長かった暗く冷たい冬の夜、煌めく星座は忘れられないが、春の訪れ、春の良さは光と共に温かさが生まれる曙の刻ときに集約される、と枕草子が示している。そして夜明け時は格別だが、連なって訪れる春の一刻が一様に素晴らしい事までもが、一言で表現されている。

山は萌え出ずる新緑。木々それぞれに彩りが微妙に異なる淡い色彩で、全体が柔らかく包まれていく光景は、最も好きな光景のひとつだ。鳥のさえずりも鮮やか。日本の季節は本当に美しい。

そして季節だけでなく、人の取組が素晴らしい時を生み出してくれている。氏家小校庭では、本市随一の染井吉野と言われる見事な桜を囲んで「大志桜まつり」が初めて開催されていた。
人が集うには最適の校庭において、地域の皆様の発案・実行力による無限大の可能性を感じる交流イベントだ。このような地域発の取組をどんどん応援していきたい。
(ミュージアムでは今月21日まで、加山又造や東山魁夷、奥田元宋をはじめとする秀逸な春の景観が堪能できます。）

令和5年5月1日              さくら市長   花塚隆志

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